この子の未来にただラブソングを

むらたかもめの子育てブログ

生後1週間後の我が子が産まれて初めて聴いた曲

出産から1週間経ち、妻と子どもが退院した。

 

赤ちゃんは大人と比べると免疫は低い。自宅は病院と環境が違う。それにストレスを感じるかもしれない。当然ながら自宅に医者や看護師や助産師はいないので、親としてもきちんと対応できるか不安はある。だから我が子を家へ連れて帰ることは、少しだけ怖かった。

 

しかし親の心配は無用だったようで、退院し病院の外に出ても元気そうで、自宅へ向かうタクシーの車内でも大人しかった。自宅にもすぐに適応してくれて、用意しておいた布団でスヤスヤと眠ってくれた。体調も良さそうで体温も正常だ。

 

生活リズムも一定で、3時間に1回のミルクの時間にきっちり起きて泣いて、飲み終わるとまた眠る。他に泣く時といえば、おしっこやうんちか出た時ぐらいだ。とても世話をしやすい。

 

と、思っていた。そんな日々は、すぐに終わった。

 

その日の夜から夜泣きが始まったからだ。

 

ミルクの時間でもないし、オムツが汚れたわけでもない。寒いわけでもなさそうだし、体温にも異常はない。

 

本人にとっては何かしら理由があって、助けを呼ぶために泣いているのだろうが、親はその理由がわからない。だから抱っこしたり声をかけたりと、寄り添って耐えるしかない。親にとっても子どもにとっても辛い時間だ。

 

子どもが泣き止む方法をググり色々と試してみたが、全く泣き止む気配がない。そして親は途方に暮れる。

 

そんな絶望の中で、一筋の光が見えた。「そういえば、あの手があった!」と、ふと2022年10月4日にテレビ朝日で放送された『ハマスカ放送部』を思い出したからだ。

 

その日の番組企画は『赤ちゃん早泣き止みソングレース』というものだった。赤ちゃんが泣き止むと評判の楽曲を実際に聴かせ、どの曲で最初に泣き止むかのタイムを競う内容だ。

 

泣き止むまでのタイムが断トツで早かったのは、反町隆史『POISON~言いたいことも言えないこんな世の中は』だった。

 

POISON~言いたい事も言えないこんな世の中は~

POISON~言いたい事も言えないこんな世の中は~

  • 反町隆史
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

番組内で日本音響研究所所長が、泣き止む理由について解説していた。この曲は反町の低温で通る声と、サビのメロディーが一定という部分によって、赤ちゃんを落ち着かせるらしい。歌詞の内容とは真逆で、実際は安らぎを与える楽曲なようだ。

 

「反町はグレイトだから子どもを泣き止ませられる!」

 

そんな期待を込めて『POISON~言いたいことも言えないこんな世の中は』を、Spotifyで検索し再生してみる。

 

久々に聴いてみたが、なかなかに良い曲だ。特にイントロのギターリフは、求心力が抜群で耳から離れない。日本の音楽史に残すべき素晴らしいギターリフに思う。

 

サウンドも悪くない。いい感じに歪んだギターとゴリゴリのベースがクールである。力強いビートのドラムも良い。

 

そして反町隆史の歌声。これがやはり素晴らしい。低音ボイスが心地よいうえに、声質は珍しいので耳に残る。音域の狭さという欠点を十分におぎなうほどの、個性と魅力を兼ね備えた歌声だ。

 

歌詞のインパクトも凄い。ひたすらに前向きで自らを鼓舞するような内容はあるが、理不尽な世の中や自分を邪魔する奴への闘争心についても歌っている。つまりお気楽な前向き応援ソングではなく、覚悟を決めた人間が前を向き、自分を貫くために戦う歌なのだ。

 

内容だけでなく、言葉選びのセンスも最高だ。特に〈言いたい事も言えないこんな世の中じゃ POISON〉なんて、インパクトが凄まじいではないか。しかも多くの人の共感を呼ぶ言葉でもある。聴いた者は自然と心を掴まれてしまう。

 

この楽曲がリリースされてから25年。改めて聴き直すことで、なぜ長年名曲として愛されているのかを理解した。きっとこれからも聴かれ続けるだろうし、世の中に不満を感じた時に「POISON!」と言ってしまう人は後を耐えないだろう。

 

しかし、うちの子どもは、聴いても泣き止まなかった。言いたいことも言えない我が子は、ひたすらにギャン泣きしている。あやし続けたが結局泣き止まず、曲は終わってしまった。POISON。

 

そこでふと気づく。我が子が産まれて初めて聴いた曲が『POISON~言いたいことも言えないこんな世の中は』になってしまったことに。

 

Forever

Forever

  • 反町隆史
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

しかも再生停止させる余裕がなかったので、そのまま反町隆史『Forever』が続けて流れてしまった。必死にあやしている間に、曲はあっという間に終わった。反町隆史を2曲連続で聴くことから、我が子の音楽体験および音楽人生が始まることとなった。

 

なお、我が子は『Forever』を聴いても、泣き止むことはなかった。15分後に自然と泣き止んで、寝た。

 

ゴールデン☆ベスト 反町隆史

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