この子の未来にただラブソングを

むらたかもめの子育てブログ

息子と赤い公園

家族で立川に行った。立川に住む妻の友人へ会うためだ。ちょうど友人が出産し子どもが産まれたということで、そのお祝いも兼ねて向かった。

 

自分が立川という場所から真っ先に連想されるものは、赤い公園だ。立川市で結成され、アマチュア時代は立川を拠点に活動していたロックバンドである。 残念ながら解散してしまったが、今でも日本の音楽シーンに多大な影響を残している、めちゃくちゃカッコいいバンドだ。自分は赤い公園が大好きだった。

 

赤い公園はメジャーデビューしてからも地元を愛しており“地元への恩返しプロジェクト”として、立川市に赤い色のベンチを寄贈している。そのベンチがある公園はバンド名から引用され「赤い公園」と呼ばれている。Google Mapsでも検索すれば出てくる場所だ。

 

妻の友人宅は赤い公園の近くだった。妻が友人と食事へ行っている間に、息子と一緒に赤い公園へ行った。

 

駅からそれほど離れていない場所だけど、日曜の昼下がりでも穏やかな空気が流れていた。散歩している年配の方がいたり、テーブルのある席で談笑している人がいたり、すぐ側にある子ども未来センターへ向かう親子がいたりと。

 

息子を赤い公園のベンチに座らせた。座り心地は良好なようで、笑顔でベンチをバシバシ叩いている。叩くのは止めて欲しい。

 

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ポージングする息子の姿は勇敢なこどもに見えた。でもお腹が空いたのか「パン!パン!」と叫び荷物が入ったカバンを指差す姿は、普通の子どもだった。

 

息子はリラックスした様子でパンを食べ「おいしーおいしー」と言って、ひたすらにせがむ。道中で買った8枚切りのパンの半部ほどを食べてしまった。パックのお茶も美味しそうにぐびぐびと飲んで、飲み終わったらストローを抜き取り振り回していた。止めてくれ。

 

街中にある小さな公園ではあるけれど、喧騒から抜け出して少しだけピクニックをした気分だ。何をする訳でも無い穏やかな時間だけど、それでも、だからこそ、心地よくて楽しかった。普段は公園に来たら走り回って暴れる息子も椅子に座って父に寄り添っている。父と同じ気持ちだったら嬉しい。

 

1歳の息子は赤い公園というバンドを知らない。もしかしたら赤い公園へ足を運ぶ地元の人も、バンドのことは知らずにベンチに腰掛けているのかもしれない。きっと妻の友人も赤い公園というバンドは知らないけれど、子どもと一緒にこの公園に来ていると思う。

 

それでもバンドが存在したことの爪痕がこの場所には残っているし、バンドが立川市に残した大切な場所になっている。これからも赤いベンチはこの場所に存在し続けるし、GoogleMapsは「赤い公園」という文字とともに、この場所にピンを立て続ける。それは消えないし消さない。

 

きっと赤い公園という場所は赤い公園というバンドの望んだ空間になっているのだろう。地元の人は気にせず赤いベンチに腰を下ろせばいいし、ファンは時折足を運んで赤い公園というバンドに思いを馳せ、地元の人と同じように穏やかな時間を過ごせばいい。

 

もう少し息子が大人になったら、赤い公園のカッコいい音楽を教えてあげたいな。ここ最近は『アンパンマンたいそう』ばかり聴いている息子だけど、いつか赤い公園の魅力にも気づいてくれると思う。その時にもう一度、赤い公園へ一緒に行きたい。道中の車で赤い公園の音楽を流し、親子でNOW ON AIRしながら。

 

そんなことを赤い公園のベンチで、凛々爛々な気持ちになりながら思った。