この子の未来にただラブソングを

むらたかもめの子育てブログ

子どもの目が開いた

産まれて2日目。君は早くもお腹の外の世界を目で見ることができた。

 

瞼が開いたからだ。

 

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妻からLINEで送られてきた動画には、ハッキリと君が瞼を開いた姿が映っていた。「なんだこれ?」とでも言いたげな感じで、首をゆっくりと動かし、大きな黒目をキョロキョロさせている。

 

産まれた日の君は、足をばたつかせたり、腕や指を伸ばしていた。その姿は視覚以外のものを使って、お腹の中と違う世界を確認しようとしているようだった。

 

それが視力を得たことで、行動が少しだけ変わったのだ。もちろん新生児は視力が低いし、認識できる色は白と黒とグレーだけだから、目が開いても視界ははっきりとはしないだろう。しかし僅かだとしても「目が見える」ということは、大きな変化だと思う。

 

まだ君は目に映る何もかもを知らないし、目に映るものが何かを知る術もない。おそらくiPhoneのカメラを向けた母の顔もはっきりとは見えていないし「なんだこれ?」と思っているかもしれない。

 

よくよく考えると世の中は「なんだこれ?」と思うものばかりだ。成長するにつれ「なんだこれ?」の正体を知っていくので、大人は世の中の不思議さに慣れて、忘れてしまうのである。そうやって人は大人になるのだ。

 

かつての自分も様々な「なんだこれ?」なものを見て、刺激を受けてきた。そうやって大人になってきた。

 

そして正体がわかった「なんだこれ?」の中から、時折「これは好きだ!」と思えるものと出会えたりもした。

 

面白いアニメ。感動的な映画。好きなバンドのライブ。猫。アイドルが踊る姿。齋藤飛鳥。ラーメン。富士山。ピカチュウ。家族。などなど。

 

そんな好きなものを見ている時は、とてもハッピーな気持ちになる。だからたくさんの「これは好きだ!」に出会って欲しい。それに目で見た好きと思えるものによって、自分の人格や人生が作られてもいくきっかけの刺激や感動になったりもする。

 

 

 

 

それは子どもの時だけではない。大人になっても「なんだこれ?」と思うものを見て「これは好きだ!」と思い、新しい刺激や感動を得ることがある。

 

君の父の話から例をあげるとすれば、産まれたばかりの君を見た時がそうだ。

 

これまでの人生で1番といえるほどの、衝撃と感動を君を見た瞬間にもらった。自分の人生が大きく変わる瞬間だと確信した。絶対に忘れることはない出来事のひとつに思った。

 

きっと君は父とは違う景色を見て、違うことを感じ、違うものを好きになるだろう。それによって君だけの人格や人生が作られていくはずだ。

 

でも目に見えるものだけが全てではない。目には見えない大切なものがあることも知って欲しい。むしろ見えないものにこそ、大切なものがあることに気づいて欲しい。

 

君が産まれた日に、君を抱っこした時に感じた温もりや重さが、まさに目に見えない大切なものだ。耳で聞いた君の泣き声も忘れられないし、指をつかんできた君の手の感触だってずっと残っている。これも大切だ。

 

大人になった君に子どもができるかはわからない。子どもがいない人生も良いと思う。でも何でもいいから、目に見えない大切なものと、君も出会えたら良いなと思う。

 

そんな大切なもののひとつが、君が父に初めて抱っこされた時の、父の温もりや感触であったら嬉しい。でもそれは難しいだろう。自分が産まれた日の記憶を持っている人なんていないのだから。

 

だから君が大人になった時、ふと思い出せるように、何度も何度も抱っこしてあげなければ。目に見えない大切なものを、父として与えられたら嬉しい。