この子の未来にただラブソングを

むらたかもめの子育てブログ

人間の赤ちゃんはアヒルに知能で負けているかもしれない

どうも人間の赤ちゃんは「生きるための能力」が欠如しすぎているように見える。そんなことを生後1ヶ月の我が子の世話をして思う。

 

歩くことはできない。立ち上がれもしない。ひたすらに寝転がっている。ミルクを飲んでも頻繁に吐き出すし、ゲップやしゃっくりをするだけで号泣する。

 

猿の赤ちゃんは生まれてすぐに腕の力だけで親猿にしがみつくらしいが、人間の赤ちゃんは何にもしがみつけない。人間は誰かに助けてもらうことが前提の状態で産まれてくるのだ。野生では1日経たないうちに他の動物に捕食されるだろう。恐らく人間の赤ちゃんは哺乳類史上最弱だ。

 

しかしなぜか成長した人間の知能は他のどの動物よりもあるので、奇跡的に生き残った先祖のおかげで人間は絶滅せずに済んでいる。今では人間が食物連鎖の頂点にいる。

 

そういえばアヒルは産まれて最初に見た動くものを親と認識し、1日たらずで歩けるようになり、親と認識した生き物の後をつけて歩くという。生きていくために必要な知識を、産まれてすぐに持ち合わせていて、それを行動に移せるのだ。賢い生き物である。

 

それに対して人間はどうだろう。人間は生後4ヶ月ほどまでは、脳の記憶に関する領域がほとんど育たない。そのため親を認識するまで時間がかかる。早い子で3日程度。通常は2~3ヶ月ほどらしい。父親を認識するまでにはもっと時間がかかる。最初は「母親でない何か」として認識し、父親だと認識するのは生後8ヶ月前後になる。父としては寂しい。

 

つまり人間の赤ちゃんは、アヒルよりも記憶力がないということだ。だから誰に抱っこされても受け入れるし、誰がミルクを与えても喜んで飲んでしまう。やはり野生では生きていけない。

 

しかしだ。どうも生後1ヶ月の我が子は、既に母親と父親(もしくは母親ではない何か)を認識しているように思える。なぜなら、抱っこをしたりミルクをあげた時の反応が、少し違うからだ。

 

自分が抱っこをしている時、こちらに向かってパンチをしてくる。機嫌が良さそうな時もなぜか殴りかかってくる。最近は腕を伸ばして父親の顔を引っ掻こうとしてくる。攻撃性が高い子どもだ。しかも意外と力が強いので、けっこう痛い。

 

それなのに妻が抱っこをしている時は、殴ることも引っ掻くこともない。母親として認識しているから、心を許しているのだろうか。まだ父親を認識していないので、警戒しているのかもしれない。我が子は危機管理能力が高いようだ。野生でも生きていけるだろう。

 

いや、よくよく思い返すと、我が子が殴りかかる相手は自分だけだ。一ヶ月検診で病院に行った時、助産師さんに抱っこされていた時は殴りかかることはなかった。初対面の見ず知らずの相手なのに。

 

一ヶ月検診の日も、自分は殴られた。「殴っても問題ない存在」として認識されたのだろうか。認識されたこと自体は嬉しい。

 

しかし誰が相手だろうと、暴力を振るってはならない。赤ちゃんの君はまだ理解できないかもしれないが、弱い人間こそ力に頼ってしまうのだ。強い人間は暴力を振るわない。殴りたくなるような奴も世の中にはたくさんいるが、それでも振り上げた拳を下げられる人間こそ、強くてカッコいいのだ。それをしっかりと伝えて理解させなければ。これは親としての責務のひとつだ。

 

でもまずは自分が子どもから「殴ってやりたい」と思われない良い父親になれるよう努めなければ......。